2012年1月1日日曜日

5. C. 耐水性テスト

以下の手順でテストを行いました。

1. 筆記後約3週間乾燥
2. 水を一滴滴下
3. 水に24時間浸漬
油性ボールペン


油性ボールペンは、一部の例外を除いて、水の滴下には強いことが分かります。もっとも、長時間水に浸された場合、にじんでしまうものが意外と多いことも分かります。

以下、具体的製品について述べます。

まず、Fisher Space PenPentel VICUNAuni Jetstreamは、水の滴下だけでにじんでしまいました。Fisher Space Penは水の中でも書けるということを売りにしていますが、にじまないというわけではないようです。

一方、長時間水に浸した場合は、かなりの油性ボールペンがにじんでしまいました。

低粘度油性は、国産海外を問わず、基本的に派手ににじんでしまいます。唯一(低粘度油性と言えるかは微妙かもしれませんが)Pentel Rollyは、ここでもまったくにじまないという結果となっています(下に配置したVICUNAが猛烈ににじんでしまっているのでわかりにくいかも知れませんが、Rolly自体はにじんでいません)。

また、意外にも海外製ボールペンの多くが、長時間水に浸した場合にはにじんでいます。滴下の結果から、Fisher Space Penがにじむのは予想がつきましたが、それ以外の海外製ボールペンも相当程度にじんでしまっています。低粘度油性というわけではないのに、これほどにじむとは少々意外な結果です。

一方、従来型油性の国産ボールペンは、長時間水に浸しても、ほとんどにじんでいません。(あまりないかも知れませんが)長時間水に浸されるような場合には、国産の従来型油性を選ぶのがいいかも知れません。


ゲルボールペン



ゲルインキボールペンは、基本的に水性なため、顔料か染料かではっきり結果が分かれました。顔料はにじまず、染料はにじむという、とうぜんといえばとうぜんのけっかとなりました。もっとも、染料であっても、読めなくなるまで消えたものはありませんでした。

以下、具体的製品について述べます。

水性染料ゲルインキボールペンのうち、 Pilot Hi-Tec-C Cavalier 、Pilot Dr.Grip Gelは、滴下ではにじんでしまいますが、長時間水に浸しても、相当描線が残りました。書いた文字は読みにくくなるかも知れませんが、読めなくなることは無さそうです。

OHTO G-305は、水性染料ゲルインキボールペンにもかかわらず、ほとんどにじみもしませんでした。本当に染料ボールペンなのか疑ってしまうほどの耐水性です。


ZEBRA SARASA stickは、顔料であるにもかかわらず、にじんでしまいました。 SARASA CLIPとは、インクに相当違いがあるようです。Pentel KFB5 も滴下でにじんでいます。もっとも、にじみ方からして、表面の顔料の定着が不十分だったのかもしれません。

その他の水性顔料ゲルは、いずれも、まったくと言っていいほどにじんでいません。

水性ボールペン


水性ボールペンは、ゲルと同じく、顔料か染料かで結果が分かれました。順当に、顔料はにじまず、染料はにじむというものになっています。

ただし、Pilot V CORNは、染料であるにもかかわらず、滴下されても長時間の水に浸されても、ほとんどにじんでいません。耐水性は相当高いといえると思います。

マーカー


マーカーについては、顔料はにじまず、水性染料はにじみ、油性染料はにじまないというものになっています。

もっとも、Sakura PigmaZEBRA Mckeeも、滴下でややにじんでいます。Pigmaは表面の顔料が、Mckeeはわずかに染料がにじんでいるのではないかと思います。

万年筆



万年筆でも、顔料はにじまず、染料はにじむというものになっています。

が、Sailor 極黒については、顔料にもかかわらず、滴下で盛大ににじんでいます。これは、表面に定着しきれない顔料が多く残っていたためではないかとおもいます。本テストでは、極黒筆記につけペンを用いたのですが、ややインク量が多かったのかも知れません。個人的には意外な結果でした。

1 件のコメント:

  1. ここまでまとまった情報はありがたいです。
    すごく参考になりました。

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